体外衝撃波治療 shock-wave
体外衝撃波治療とは
衝撃波とは
衝撃波は音速を超える圧力の波で、音響インピーダンス(音波の伝わりにくさ:抵抗)が変わる境界でエネルギーを放出します。
大音量のスピーカーの前で振動を感じることがあると思いますが、衝撃波は音速を超え、音波より遥かに大きなエネルギーをもっています。
例えば爆発で窓ガラスが割れるのも衝撃波の一例です。爆発で発生した衝撃波が空気中を伝わり、空気とガラスの境目でエネルギーが放出されることによりガラスが割れます。ざっくりとしたイメージですが柔らかいもの(液体や気体)と硬いもの(個体)の境界でエネルギーが放出されると考えてください。
衝撃波への医療への応用
衝撃波が整形外科領域の治療に用いられるようになってきたのは1980年代後半からです。骨折後の遷延治癒(骨癒合が遅れているもの)や偽関節(骨癒合しなくなってしまったもの)に対して体外衝撃波を照射すると骨癒合を促すことが分かってきました。
また、腱や腱付着部の痛みにも有効であることが確認され、日本では2012年から難治性足底腱膜炎に対する保険適応も承認され、少しずつ日本でも体外衝撃波の治療が広まってきました。
当院でも2018年の導入以来多くの患者さんに治療を行なっております。
有効な疾患
腱の付着部炎だけでなく、腸脛靱帯炎などのランニング障害や、変形性膝関節症の痛みなどにも効果が期待できます。
足部 | アキレス腱付着部炎、アキレス腱炎、足底腱膜炎 |
---|---|
膝・下腿 | 腸脛靱帯炎、シンスプリント(脛骨骨膜炎) |
肘 | テニス肘・ゴルフ肘(上腕骨外側上顆炎) |
骨折・軟骨損傷 | 離断性骨軟骨炎、疲労骨折、骨折遷延治癒 |
その他 | 石灰性腱炎 変形性膝関節症など |
保険適応
難治性足底腱膜炎のみ保険適応です。
その他の疾患は保険が適応されません。
※治療費に関しては下記でご覧下さい。
体外衝撃波治療の特徴
当院では厚生省の認可をうけている小型の体外衝撃波治療装置DUOLISを導入しています。
【治療の特長】
1回の治療時間は15分程度と短くなっています。 外来通院で治療が可能です。 コンパクトなハンドピースを用いて治療するので、どの部位でもリラックスした姿勢で治療が可能です。
【副作用やリスクについて】
起こりうる有害事象は以下の通りです。多くのものは一過性かつ症状も軽微で、数時間から数日で軽快します。
- 治療中および治療後の疼痛
- 衝撃波照射部位の腫脹
- 衝撃波照射部位の斑状または点状出血
- 感覚異常、知覚低下、神経痛、その他の神経障害
- 湿疹
- 腱、腱膜の断裂
- 衝撃波誤照射による組織損傷
- 骨の異常増殖
治療の流れ
体外衝撃波の治療は完全予約制です。
お電話もしくは受付にてご相談ください。
【診療】
医師の診察を受けていただき治療の適応かどうかを判断します。診察の結果、体外衝撃波の適応がある場合、治療の計画を立てていきます。
【体外衝撃波治療実施当日】
うつ伏せやイスに座った状態など、リラックスした姿勢で治療が受けていただきます。
治療中は痛みのある場所を確認しながら行います。
多少の痛みを伴いますが、痛みのある場所が病変なので、逆に痛みがない場合は有効な位置に照射されていないということになります。
照射する衝撃波の強さは痛みが辛くない程度に微調整を行います。
およそ15分程度で照射終了となります。
※1から2週間毎に1回行い、必要に応じて3〜4回繰り返します。
体外衝撃波:収束型・拡散型の違いについて
両国きたむら整形外科ではこう使います!体外衝撃波の実際
体外衝撃波実践編:足底腱膜炎 画像診断
足底腱膜炎の診察 視診・触診編
料金表
項目 | 料金 | |
---|---|---|
保険適応 |
難治性足底腱膜炎 |
3割 ¥15,000 |
照射3〜4回分の料金となります。 |
※初診料・再診料・検査料は別途かかります。 |
|
保険外診療 |
その他の疾患 |
¥8,800(税込) |
照射1回分の料金となります。 |
※診察料・検査料は別途かかります。 |